なにもないすらない

僕の考えられる範囲のはなし

乙女文藝ハッカソン(漫画レビュー 2018/2/18)


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”玉ねぎ”、”ニンジン”、”ジャガイモ”、”豚コマ肉”、さて、これらの材料から何ができるでしょう?

おそらくカレーか肉じゃがあたりを想像したのではないでしょうか?(素焼き、ごった煮が限界の僕を超える料理スキルを持つ方はもっと見えるのかもしれません)

 

では”えっちな話”、”お母さん”、”秘密”で三題話を作れと言われたら?

 

料理だと材料から完成する品を想像できるのに、物語になると広大な草原の真ん中に立たされたように、完成図はおろか完成までの道筋も見えません。

 

そんな創作の世界に足を突っ込んだ主人公と一緒に、若干キモいくらい創作論を語ってくる先輩方からいろいろ教えてもらう漫画が乙女文藝ハッカソンです。

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乙女文藝ハッカソン 1巻142-143ページより

別に物語の作り方とかそういう話を聞きたいならハウツー本を読めばいい。おそらくそちらの方が詳しいことが書いているし、ひたすら手法について語っている分よっぽど勉強になるでしょう。

 

ならなぜこの漫画をお勧めしているか。

この作者、非常に間の取り方がうまく、恐ろしく漫画が読みやすいのだ。

 

セリフのテンポもあるだろうが、個人的に注目したいのはキャラの表情の多様さ。

この漫画、若干癖のある絵柄をしているが、キャラクタの表情が豊かで顔から感情が読み取りやすい。

そしてその表情で多くを語らせるからこそ余計なセリフがさらに省け、よりよいテンポで読むことができる。

 

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乙女分塾ハッカソン 1巻 164-165

単純に読んで面白いという漫画は他にもあったのだけれど、最近は一番この作品を読み返している。

その理由はそこにあると思う。